IT業界に就職したら、避けては通れないのが情報処理試験です。
特に新入社員は、基本情報技術者試験を受験するよう、会社から口酸っぱく言われることになるでしょう。
文系卒でプログラミング未経験だった私は、入社一年目の秋に初めて基本情報技術者試験を受験しました。そして運良く、一発合格することが出来ました。当時の勉強方法について解説していきます。
基本情報技術者試験の概要
情報処理技術者試験とは?
IT業界では「情処」と略されている「情報処理技術者試験」は、経済産業省が主催する国家試験です。
情報処理技術者試験は、「情報処理の促進に関する法律」に基づき経済産業省が、情報処理技術者としての「知識・技能」が一定以上の水準であることを認定している国家試験です。
情報システムを構築・運用する「技術者」から情報システムを利用する「エンドユーザ(利用者)」まで、ITに関係するすべての人に活用いただける試験として実施しています。特定の製品やソフトウェアに関する試験ではなく、情報技術の背景として知るべき原理や基礎となる知識・技能について、幅広く総合的に評価しています。IPA公式サイト:情報処理技術者試験 情報処理安全確保支援士試験 試験の概要
情報処理技術者試験は、12の試験区分から構成されています。基本情報技術者試験は、そのうちの一つです。
基本情報技術者試験とは?
「基本情報技術者試験」は、ITエンジニアの登竜門とされる試験です。
対象者像は、「高度IT人材となるために必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身に付けた者」とされています。
- IT業界に入ったら受けるのが当然の試験
- 入社3年以内で合格出来るのがベスト
- 遅くても若手と呼ばれる20代のうちに合格しないと恥ずかしい
- 春期(4月)、秋期(10月)の年2回実施
- 合格基準は午前・午後ともに60点以上を得点すること
- 平成29年の合格率は22.1%
平成29年の合格率は22.1%と、決して高くはありません。
実務の知識だけで合格出来るような試験ではありませんので、試験勉強は必須です。
逆に、実務経験がなくても、しっかり勉強すれば合格できる試験とも言えます。
ちなみに、基本情報技術者試験より難易度の低い「ITパスポート試験」もありますが、IT業界ではほとんど評価されません。
文系新入社員が1年目に基本情報合格した勉強方法
文系新入社員のスペック
- 地方大学の文系学部卒
- 入社するまでプログラミング未経験
- 情報系の専門知識なし
- センター試験以来数学の勉強をしていない
- 数学がとにかく苦手
大学では全く理系分野の勉強をしてこなかった私にとっては、0からのスタートでした。
入社直後の基本情報技術者試験の勉強方法
入社後3ヶ月間は、自社での研修がありました。
最初の1ヶ月だったと思いますが、研修のカリキュラムの中に、基本情報技術者試験の学習も含まれていました。
基本情報技術者試験の参考書に沿って、講師(先輩社員)が授業形式で解説するという形でした。
限られた時間内で全ての分野を網羅することは無理でしたので、重要な部分だけピックアップでした。
家で予習復習をする余裕はありませんでした。
この時点では内容をそれほど理解できておらず、雰囲気を何となくつかめた、といった感じでした。
受験申込み後の基本情報技術者試験の勉強方法
入社一年目の秋期の基本情報技術者試験を、一応受験してみることにしました。
客先常駐となって業務が忙しくなってきた頃で、受かる自信はありませんでした。
過去問を1回分、解いてみる
まずは試験の傾向を把握するために、休日に過去問を1回分問いてみました。
全ての問題を解くことを重視したので、制限時間は意識しませんでした。
最初は分からない問題ばかりで苦痛ですが、最後まで解答することが大事です。
終わったら、答え合わせをします。分からなかった問題は解説をしっかり読み、解きっぱなしにならないようにします。
過去問を解くことで得意な分野・苦手な分野が分かります。苦手分野を後回しにしないよう、優先順位を決めて勉強していくようにします。
通勤電車で参考書を読む
平日は勉強時間の確保が難しいので、通勤時の電車に乗っている時間を勉強に当てました。
電車内でがっつり問題を解くのは難しいので、参考書を持ち歩いていました。
私は当時、基本情報技術者試験のために3冊の書籍を所有していました。
- 普通の参考書
研修で渡された普通の参考書を使っていました。 - 易しめの参考書
参考書では難しい部分を理解するため、読みやすい参考書を購入しました。 - 過去問
最新の過去問を購入しました。
通勤時に読んでいたのは、②の「易しめの参考書」です。
私が今から購入するとしたら、下記のうちのどちらかを選びます。
文系卒の方には特に、はじめに易しめの参考書を読むことをおすすめします。
普通の参考書は厚い上に小難しくて、積極的に読み進める気が起こりませんでした。
易しめの参考書であれば、読書感覚であまり苦手意識を持たずに勉強できます。
私の勉強方法ですが、まず、易しめの参考書を読み進めます。
読んでいる中で、ざっくりとしか書かれていない部分や、もっと深く知っておくべきと感じる部分が出てくるはずです。
そういう部分は普通の参考書を照らし合わせて、深掘りしていきました。
易しめの参考書一冊のみでは不十分。あくまでサブという認識で!
休日に過去問を解く
過去問題集を一冊全て解くことはできず、正直なところ直近の数回しかやれませんでした。
それでも、問いた後にはちゃんと解説を読み、解説を読んでもよく分からなかった部分は、参考書を読んで不明点を一つ一つ潰していきました。
最大の難関、基礎理論
私は数学が苦手なので、初っ端の計算問題全般が鬼門でした。
ですので、一番時間をかけてコツコツ学習しました。
こればかりは、問題を何問も解き、公式や解き方を覚えていくしかないでしょう。
また、この分野ばかりやっているとやる気が失われていくので、得意分野とセットで学習するようにしていました。
午後の対策はしなかった
午後の勉強まで手が回らなかったので、午前の勉強しかしていませんでした。
もしプログラミング未経験で受験する場合は、勉強が必要でしょう。
文系新入社員が1年目に基本情報を受けてみて
勉強量について
秋頃は業務が忙しくなってきて、時間的余裕も精神的余裕もありませんでした。
平日帰宅後はほぼ勉強できませんでしたし、休日も丸一日勉強にあてるということはなく、せいぜい数時間だけでした。
通勤時の勉強がメインでしたが、たとえ一日数十分でも毎日続けることで合格に結びついたのだと思います。
過去問について
過去問は絶対解くべきです。
良く似た傾向の問題が出ますので、最低でも3回分は解くことをお勧めします。
午後の問題について
私は特に午後の対策していなかった上、プログラミング歴は約半年でした。
ソフトウェア開発の問題はJavaを選択しましたが、Javaは実務で使いはじめて約3ヶ月でした。
何となくで解きましたが、結果合格できたので良かったです。
午前の勉強+実務でプログラミングをやっていれば、案外どうにかなるものでした。
自己採点をしてみて
自己採点の結果、運が良ければ受かるかも・・・?といった点数でした。
マークシートなので、「日本語的にこれは絶対ありえない」という選択肢も混ざっています。センター試験のような試験に慣れていて、ある程度の読解力があれば、案外いける問題も多いです。
合格の可能性が見えてきたので、発表までドキドキでした。
基本情報技術者試験、合格!
いよいよ合格発表当日。
会社の昼休みにインターネットで確認し、合格と分かり嬉しかったです。
後日、証書も届きました。
まとめ:文系新入社員でも基本情報技術者試験の合格は可能
私は勉強時間が十分に確保できない状況にも関わらず、最低限やるべきことはやって基本情報技術者試験に合格できました。
合格基準が6割なので、100点満点を目指さなくても合格は可能です。
忙しい時期だから・・・とか、まだ勉強不足だから・・・とか思わずに、とりあえずチャレンジしてみることをお勧めします。