私は大学卒業後、IT系の中小企業にプログラマーとして新卒入社しました。
IT企業の初任給は実際どれくらいなのか、気になる内訳を特別に公開してしまいます。
さらに、当時の私が知らなかった初任給の罠についても解説していきます。
実際の初任給の額と平均初任給との比較
それでは早速、当時の初任給の額を公開します。
平成21年の初任給を高校卒以上の学歴別にみると、以下のとおりになっている。
男女計 大学院修士課程修了 大学卒
高専・短大卒
高校卒
228.4千円(対前年増減率1.1%) 198.8千円(〃0.1%)
173.2千円(〃2.1%)
157.8千円(〃0.1%)
その年の大卒の初任給の平均が198,800円でしたので、ほぼ平均の額と言えます。
地方の会社にしては、まあまあ良い方なのではないかと思っていました。
・・・そう、入社前までは。
初任給の内訳の実態
初めての給与明細
それでは、入社して初めてもらった4月分の給与明細を見ていきます。
基本給 | 143,000 |
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住宅手当 | 45,000 |
精勤手当 | 10,000 |
通勤手当 | 7,950 |
総支給額 | 205,950 |
健康保険 | 8,200 |
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厚生年金 | 14,996 |
雇用保険 | 824 |
所得税 | 3,760 |
旅行積立 | 3,000 |
控除額 | 30,780 |
差引支給額 | 175,170 |
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初めての給与明細、基本給以外の手当がやけに多くて、何なんだこれは・・・?としばらく考え込んでしまいました。
給与明細の解説
明細の中から、特筆すべき項目について解説していきます。
- 住宅手当
私の会社には格安で住める社員寮はありましたが、住宅補助はありませんでした。
そのため、この住宅手当なるものは謎でした。 - 精勤手当
こちらも謎の手当で、役員以外についていました。 - 通勤手当
私は電車通勤だったため、1ヶ月の定期代分実費で手当がついていました。 - 旅行積立
社員旅行のための積立が、毎月の給料から引かれていました。
基本給を下げるために、住宅手当や精勤手当が設定されていた。
会社側としては、基本給はなるべく抑えたいものなのです。
その理由は、次の項目で説明していきます。
基本給が低いとデメリットだらけ
残業代も、ボーナスも、退職金も、基本給がベースとなっている。
例えば、初任給が20万円で別々の会社に勤めるAさんとBさんがいたとします。
- Aさんの初任給は、基本給が20万円、手当はありません。
- Bさんの初任給は、基本給が10万円、手当が10万円です。
AさんもBさんもボーナスは2ヶ月分もらえます。
- Aさんのボーナスは、基本給20万円×2ヶ月=40万円
- Bさんのボーナスは、基本給10万円×2ヶ月=20万円
このように、初任給が同じでも基本給が異なると、何倍もの差が生まれます。
特に、IT業界は残業が多いので、たくさん残業したところで基本給が低ければ、残業代も些細な額となってしまいます。
ボーナスや残業代が積み重なって年収として見たときに、非常に大きな差となるのです。
このように、会社側は従業員に支払う賃金を抑えるために、手当を増やして基本給を下げるという手法を取るわけです。
まとめ:初任給ではなく基本給に着目すべし
就職活動をしていた頃の私は、初任給の額面しか見ておらず、基本給はちっとも意識しておりませんでした。
基本給が低い会社に入ってしまったことで、同じ現場で同じように働く他の会社の人と比べては、給料の低さを惨めに感じていました。
就職活動の際には、初任給ではなく基本給に着目するようにしてくださいね。