私は会社員時代、においがほとんど分からなくなっていた時期がありました。
毎日仕事が忙しく、数年放置していましたが、全く治る気配がなかったので耳鼻科に行きました。
その結果、副鼻腔炎と診断されました。
症状が出始めてから、現在に至るまでの経過を2回に分けて書いていきます。
それでは前編のスタートです。
においを感じなくなっていた日々の状況
私は20代後半に会社員をしていたある日、においがあまりしなくなっていたことに気づきました。
そう思い、病院に行くこともなく放置していました。
においが分からない以外に特に困る点はなく、鼻水が出たり痛みを伴ったりということはありませんでした。味覚は問題なく、食事も美味しく食べられていました。
また、日によって鼻の通りが良くにおいがする日もありました。
だからこそ、病院に行く緊急性も感じられずにいました。
しかし、においの分からない日々は悲しいものです。
他人とにおいの共感ができないことが、一番辛かったです。
においが分からないと言うのも気が引けて、適当にその場をしのいでいました。
また、雨の日のにおいや秋のにおいといったような、外の繊細な空気のにおいが分からなくなったことも辛かったです。
においのない日々は味気なく、生きる楽しみを一つ失ったかのような感じがしていました。
耳鼻科で副鼻腔炎と病名を告げられた
鼻の異常を見て見ぬ振りして数年が経った頃です。
いよいよ香水のにおいすら分からなくなってきたので、仕事の大きなプロジェクトが落ち着いたタイミングで、耳鼻科に行く決意をしました。
定時で上がっても最寄りの駅に着く頃には19時、病院は終わっている時間です。
そこで、職場から30分以内の距離の、乗り換え駅付近の耳鼻科に行ってみることにしました。
初回の診察では、問診の後、鼻を内視鏡で診たり、レントゲンを撮ったりしました。
結果、副鼻腔炎だということが判明しました。
副鼻腔炎(ふくびくうえん、Sinusitis)は、副鼻腔に炎症がおきる病気。慢性の副鼻腔炎の俗称は蓄膿症(ちくのうしょう)。症状が4週未満の場合は急性副鼻腔炎(ARS)、12週以上続く場合は慢性副鼻腔炎(CRS)と定義される。
鼻の周りにある、副鼻腔と呼ばれる空洞内で炎症が起こっていました。
さらに、鼻茸というポリープが通り道を塞いでいて、においを感知しづらくなっていたようでした。
ネブライザー(鼻や喉の炎症を抑える薬剤を超音波によって細かい霧状にして放出する機器)を初体験し、2週間分の薬を処方されました。
とのことで、私の耳鼻科通いが始まりました。
耳鼻科への通院と副鼻腔炎の治療
処方された薬は、以下の4つでした。
- クラリスロマイシン錠 200mg
効能:抗菌薬 - ザイザル錠 5mg
効能:アレルギー性疾患治療薬 - カルボシステイン錠 500mg
効能:去痰剤 - サンベタゾン眼耳鼻科用液0.1%
効能:眼・耳・鼻の消炎剤
①〜③は錠剤の食後に飲む薬で、④は点鼻薬でした。
経過によって量を調節する必要があるそうで、少し良くなってきたからといって服用を止めてしまうと再発してしまう恐れがあるそうです。
本気で治すことを目標に、2週間ペースで通院を続けました。
幸い、プロジェクトもしばらく落ち着いていたので、週の1日くらいは定時で上がれました。
忙しい時期だったら通院が難しかったかもしれません。
・・・というのも社畜的な考え方なので、治療こそ最優先すべきでしたね。
薬の服用と点鼻薬を続けていくうちに、少しずつ症状が改善していきました。
今まであんなに悩んでいた時間がもったいなかったと思いました。
- 食べ物屋さんの前を通ると美味しそうなにおいがした
- 仕事帰りにどこかの家のお風呂のにおいが漂ってきた
- 香水やお香が楽しめるようになった
- 食べ物の繊細な味が分かるようになった
特に、食の喜びは大きかったです。
においが分からなかった状態でも普通に美味しく食べていたつもりでしたが、お出しの味や、カレーのスパイスの味が鮮明に分かるようになりました。
鼻をつまんで食べると食べ物の味があまりしませんよね。それと同じようなことが起こっていたようです。
しかし、副鼻腔炎の完治は難しいです。
良くなって、また調子が悪くなっての繰り返しでした。
結局、9ヶ月程度通院を続けました。
まとめ:においが分からなくなったらすぐ病院へ
たいした病気でもなさそうだし、放っておけば治るだろうと思うのは間違いです。
私は少しの異変を無視し続け、数年間においのしない世界で苦悩の日々を過ごしました。
しかし、耳鼻科で処方される薬は効果があって、耳鼻科と薬の偉大さを思い知らされました。
おそらくにおいに関しては、市販薬での治療は難しいのではないかと思います。
自分で判断せず、耳鼻科でお医者さんに診てもらうことを強くお勧めします。
後編は以下からどうぞ。